こんにちは。本日公開映画の「怒り」を映画館にて鑑賞してきました。
宣伝が始まって以来ずっと楽しみにしていた本作。なんとなく「不気味」「怖そう」みたいな印象もあったのですが、全然そんなことはなく、ガッツリ目を見開いて観ることができました。
現代を生きる人の闇や葛藤を表していて、邦画の力を見せつけられたような感覚になりました。
▽怒り 予告編
怒り あらすじ
3年前に起きた夫婦殺人事件、犯人は整形によって顔を変えて逃げでいる。ニュースで、新聞で指名手配がなされ、世間の人々が凶悪な殺人犯を探している、そんな日本が舞台。
そんな中、千葉、東京、沖縄で交わる人と人、そこに生まれた物語の群像劇です。
<千葉>
風俗店で働き一人孤独に生きていた愛子(宮崎あおい)
愛子の父親・洋平(渡辺謙)
洋平の漁港で働き始めた素性の知れない男「田代」(松山ケンイチ)
<東京>
大手通信会社に勤める優馬(妻夫木聡)
優馬の通うゲイのクラブ(?)で出会う素性の知れない男「直人」(綾野剛)
<沖縄>
母と二人、逃げるように沖縄に引っ越してきた高校生の泉(広瀬すず)
無人島で出会うバックパッカーの田中(森山未來)
これらの登場人物を中心に展開される。
愛した人、信じた人は殺人犯なのか?
引き込まれて目が離せなくなる。
[adsense]
怒り 感想
人を信じること
「怒り」という言葉に集約していく様々な闇や葛藤を抱えた人々の群像劇。切り込まれたテーマは「人を信じる」ということ。
本作では、
人を信じられなくて一人で戦う人
人を信じたって無駄だと思う人
人を信じて裏切られた人
人を最後まで信じきれなかった人
人を疑う人
様々な人が登場し、
その人なりの葛藤が描き出されます。
皆さんには「信じられる人」は居るでしょうか。心の底から信じられる人は居るでしょうか。
僕は・・・
いるんだろうか、そういう人が。
って思わず自問してしまいました。
物心ついた頃から、自分を託し切ったことってあっただろうか。素の自分をさらけ出し切ったことってあっただろうか。
そうやって相手に踏み込むことを避けて来た僕は、誰かを信じたことがあっただろうか。
信じて裏切られたら、失敗したらと考えると怖いけど、人を信じる勇気を持ちたいと思いました。
「怒り」に込められた意味って
そんなこんなでこれまで人を信じきることができなかった僕には、「人を信じる」ということにかける気力や、心のエネルギーの大きさが分かる気がします。
本作「怒り」では、誰もが大なり小なり何かを信じようとしますが、裏切られたり、期待通りにはいかなかったりします。その際に生まれる感情は「悔しい」とか「悲しい」とかそういうレベルのものではないんだなって。
それがどういう言葉や感情で表現すればピッタリくるのか分からず、「怒り」という言葉に収束していく。
人をまず疑って見ないといけないような現代のギスギスした人間関係の「怒り」が、ここに一つの物語として凝縮されていました。
安心感抜群のキャスト陣
キャスト陣は後述しますが、全シーンに主演級のキャストが登場するため、すべてのシーンで引き込まれます。妻夫木聡さんがもともと好きで、本作にも期待していたのですが、やはり卓越した演技でした。本作ではゲイの男性を演じていますが、ほんとどんな役でも七変化できる妻夫木聡さんに圧巻です。
そして個人的に気になったのが松山ケンイチさんの演技で、静かに孤独を抱えているキャラクター、最後に涙を流すシーン。どれも良い感じに空気感を放っていてすごいなと思いました。松山ケンイチさんの他の映画も観てみたいと思った瞬間でした。
映画「怒り」について
怒り(2016年製作)
上映日:2016年9月17日
製作国:日本
上映時間:142分
監督・脚本
李相日
李相日監督は過去に「許されざる者」や「悪人」などのヒット映画を手がけられています。僕自身「悪人」は大好きな映画で、「大切な人」について考えるベストムービーです。
関連記事)
大切な人はいますか?映画『悪人』の感想
原作
吉田修一
キャスト
渡辺謙
森山未來
松山ケンイチ
綾野剛
広瀬すず
宮崎あおい
妻夫木聡
ピエール瀧
三浦貴大
高畑充希
原日出子
池脇千鶴
こうしてみると…改めてキャスト陣が豪華すぎる。それぞれ単独で主演を飾れるキャスト陣が織りなす群像劇に注目ですね。
この記事を執筆して以来、「森山未來 怒り 怖い」と検索して入ってきてくださる方が割といらっしゃいます。
確かにちょっと不気味だったりするのですが、怖くて観てられない…とかホラーっぽい…ということはありません。むしろあの演技があるからこそ、本作が成り立っていると思います。ぜひ、映画館で!
おわりに
以上、映画「怒り」についてでした。もう宣伝の時から楽しみで、かつキャスト陣を観る限り「相当力入れてきたな」という本作「怒り」。映画館で観て良かったです。観終わって2時間ほどの現在、かなり余韻が残っております。ぜひ映画館へ!
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
コメント