こんにちは。元気が出る映画の感想・レビューを綴っている宮田です。本日梅田のステーションシネマにて映画『ニュースの真相』を鑑賞してきました。この映画はブッシュ大統領の軍歴詐称を追ったジャーナリストとそのチーム、そして世の中との戦いを描いた物語です。
政治や選挙に詳しくなくても楽しめる作品で、自分はこれだけのリスクを犯してでも仕事をやっているか、自分の仕事に魂はあるかなんてことを考えさせられる一本でした。
▽ニュースの真相 予告編
ニュースの真相 あらすじ
2004年、ジョージ・W・ブッシュ大統領が再選を目指していた時代。CBSニュースの敏腕女性プロデューサーのメアリーは「ブッシュ大統領の軍歴詐称」についててのスクープ番組をダン・ラザーがアンカーを務める番組で流すことを企画する。
世に旋風を巻き起こす番組の成功に思えたが、翌日ブッシュの保守派のブログにメアリーたちの提示した証拠が偽物であるとの記事がupされる。他社メディアからのバッシング番組や世の中の批判の嵐に立ち向かうメアリーたちの姿を追った映画。
番組本来の目的である「軍歴問題」はまったく目もくれず、誤報道についての論争が目まぐるしく展開されるその様子は現代の生きづらさを描写している。
ニュースの真相 感想
挑戦するということ
ネタバレになってしまうが、この映画は「挑戦者の失敗」を描いた映画です。メアリーは真実に迫る中で結果的に敗北する。世の中の猛威から会社や関係者を守るためには真実よりも大事なものがあったりする。
世の中には何かを生み出す人と、それを消費する人がいる。今の日本でもそうだけど重箱の隅をつつくようなバッシングや誹謗中傷が後を絶たない。何かを生み出し世に送り出す人たちはそういう批判に身を晒しながら生きているんだなという強さを感じられます。でもそれでも最終的には身を退くしかなかったというこの不条理な世の中へのモヤモヤが残り、明日からの仕事への情熱となりそうです。
一次情報を取りにいくことの大切さ
映画の中でも出てくるのですが、「誰かが命がけで一次情報を掴んで報道する。その30分後にはその報道に対する報道が世の中に溢れるのさ。」という言葉の通り、現代は二次情報に溢れている。キュレーションメディアなんかも流行ったりしてどこでも同じようなことを言ってるし、同じような記事が投稿されている。
二次情報に振り回されて何が嘘で何が真実なのか分からない世の中って怖いなって思った。なんでそんな情報ばっかり流されるのかっていうと、そういう情報がお金になるからなわけで(そういう情報の方が読まれる)。発信する側も受け取る側も、大事なことってなんだっけ?って今一度考える必要があるんじゃないかって思わされる。
物事の大小に関わらず、可能な限り一次情報を取りに行ける人間でありたいと思う。
ゆるぎない好奇心を持ちたい
映画の中でダンは「なぜジャーナリズムの世界に入ったのか?」という質問に対して「好奇心だ」と返すシーンがある。これは本当にそうなんだろうなって。ただ純粋に「真実を知りたい」そういう思いからなる仕事なんだろうなって。そしてこの「純粋な好奇心」って誰もが小さい頃にはもっていたのに、いつの間にか薄れてしまい、いつの頃からかなくなってしまうものなんだと思う。
でもこの好奇心を忘れてしまったら人生は終わってしまうと思えた。「質問しよう。質問しなければこの世界は終わる」というセリフがあるが、その通りだ。世の中を変えていく人たちはいつだって疑問を持ち続けている。
僕は数学が大好きで、高校時代はこの公式は本当なのか?なんでそうなるのか?例外はないのか?そんなことばかり考えていました。頭の中の世界が溢れ出して、先生に質問せずにはいられない。そんな日々でした。ちょっと話しが小さくなりすぎたけど、そういう「疑問と発見」から最近遠ざかっていたような気がする。
問いをもつことは「解を探す」という労力を要するし、答えのない問題に挑むにはかなりの体力がいる。それを分かっているから人は疑問をもたなくなるし、質問しなくなる。でもこの映画を観て、いつまでも「質問できる人間」でありたいなって思えた。
おわりに
以上、ニュースの真相についてでした。誰だって失敗する。その失敗に悪意がないのであればまたチャレンジできるような、そういう世界になればいいななんてことを思う。そのためにもまずは一人一人の人が自分も「発信側」になって、物事を多面的に見て、発言できるようにならなくては。
この映画を観て、「浅はかな情報発信をすること」や「誰かが頑張ってつくったモノに対して意味のない批判をすること」の愚かさを痛感した。真実は何か、今大切なことは何かをきちんと感じ考え、アイデンティティを持って生きていきたいと思わされました。二次情報に溢れる現代を生きる上で一度は観ておいて損は無い映画だと思います。それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
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