10点でも20点でも自分の中から出すんだよ。就活×SNS!映画『何者』の感想

nanimono-img

こんにちは。以前、映画『何者』が公開される前、原作を読んだ感想を書かせていただきました。

関連記事)
映画『何者』公開が待ちきれず原作を読んでみた!

2016年10月15日に公開になったので本日、やや遅れてにはなりますが映画館に観に行ってきました。

現代の若者世代の持つ「闇」を「就職活動×SNS」をテーマにして描き出した本作。

「誰が一番価値があるのか?」

「そこに本当の何かはあるのか?」

など、観ていて時折、心の中をかき乱されるようなメッセージ性を持っています。

大学生はもちろん、大学生を終えて社会に出て頑張っている人にもぜひ観て欲しいなって思った一本となりました。

▽映画 何者 予告編

何者 あらすじ

佐藤健、有村架純、菅田将暉、二階堂ふみ、岡田将生、山田孝之という今を駆け抜けるキャスト陣が「就職活動」を舞台に駆け回る作品です。

それぞれが自分なりの価値観を持つ、大学生6人。「拓人」「瑞月」「光太郎」「理香」「隆良」「サワ先輩」は「就職」に対しての考え方、「就職活動」に対しての考え方、そして「人生」ということへの考え方がそれぞれ違う。

この映画では「誰かの価値観が正しい」という様なメインの主張はない。それぞれがそれぞれなりにぶつかり、感じ考える様を表しています。誰かが目的や目標を提示してくれて、ある意味レールの上を走っていれば良かった学生時代。

そんな学生時代の最後にやってくる人生の選択「就職活動」。そこで生まれる葛藤がリアルに描写されていました。自分はどうか?と自問させられる素敵な作品だと思います。

[adsense]

何者 感想

10点でも20点でも自分の中から出すんだよ。そうしないと点数すら付けてもらえない!

もうここからはネタバレになってきてしまいます。この「10点でも20点でも自分の中から出すんだよ。そうしないと点数すら付けてもらえない!」というセリフが心の中に一番残った台詞となりました。

「分析」や「観察」、「評論」、人の作ったものや取った行動に対してあぁだこうだと言うことは誰にでもできます。

そして「頭の中での傑作」をしたためることも誰にでもできます。

しかしそれを現実の世界で実際にそれを生み出すことは、頭で考えているほど簡単ではなく、かっこよくもなく、もっと、地べたを這いずり回る様な泥臭いものです。

何者かを否定して、空想の中で自分を固める。そんなの空虚だってこうして客観的に観ると分かるのですが、実際にそういうことしてる自分いるなーーってのが正直なところ。

誰かの言葉を借りて、他の誰かを否定して。

まるで何者かになれたつもりになって。結局何も行動していない。そんな自分が嫌だと思ったことはこれまで幾度となくあります。本作はその葛藤や感情を上手く表現してくれていたと思います。

ダサくたってかっこ悪くたって、自分の名前で、自分の言葉で、自分の想いを伝える。発信する。今、改めてそのことの大切さに気づくことができました。

言葉のその先を想像してあげろよ

本当の本作は心に残る言葉の多かった映画なんですが、次に心に残ったのが「たった140字が同じだったくらいで二人を重ねるなよ。もっと言葉の先を想像してあげろよ」という言葉です。

僕たちは常に「誰からから見られている」という意識の中、無難な言葉を選びます。

Twitterの140字だけでなく、FacebookやLINEなどのその他のSNS、誰かと話すとき、短い言葉で簡潔に、そして綺麗に表現しようとします。でも、そのレベルの言葉のやりとりの中には「本当のこと」なんて存在していません。

たった140字で自分を表現しなくちゃならなくなったなら、選ばれなかった言葉の方が圧倒的に多いわけだろ。そこにこそその人を表す(本当の)何かがあるんじゃないか。っていう考え方が響きました。

僕は、140字で何を表現しているだろうか、何を繕い、何を包み隠しているだろうか。

簡潔に伝えることが大事だという発想は、学生の頃よりもむしろ社会に出てからの方が痛烈に感じる。

そんな毎日の中で僕は、自分を表す、自分自身の言葉を大切にできているだろうか。

そして相手が口にする少ない言葉を大切にできているだろうか。その先にある、その人の想いを大切にできているだろうか。そんなことを考えさせられました。

10点でも20点でも自分の中から出す。そうして初めて一歩踏み出すことになる。

ぜひとも原作と合わせて楽しんで欲しいです!

さてさて、まるで吐き出すように感想を書いてしまった訳ですが、こちらの作品は原作と合わせて楽しむことをお勧めしたいです!

原作と映画って世界観がマッチしなくて萎えることが多いですよね。

ですが本作「何者」は原作の世界観がまんま映画になったような感じで、映像ならではの表現がそこに加わった(演劇の部分など)というイメージです。

で、映画は97分というコンパクトな時間にまとめられています。テンポ良く進んで観やすかったのでそれはそれで良いのですが、原作の持つ深みがやや表現しきれなかった感も感じました。

ですのでぜひとも、原作と合わせて楽しんで欲しいです。

まぁ、楽しむというよりは考える、という感じですかね。僕自身も大学生の頃、「就職活動」というものに疑問を感じずにはいられないタイプで、1年生の頃からずっと就活そのものを否定していたタイプでした。

でもそんな安っぽい否定からは何も生まれないし、それこそ何者にもなれません。

大切なことは、かっこつけず、無駄なプライドなんて捨てて、目の前のことに全力でぶつかっていくこと。そりゃあ理想の未来を思い描くことも大切だけど、ダサくても情けなくても一歩を踏み出し続けること。

10点でも20点でも、人に評価してもらうこと。罵倒されても、評価してもらうための努力を続けること。

それが大切だなって、この感想記事を書いていて改めて感じました。

就職活動について、そして大学生活や人生について考えている人はぜひ一度、本か映画を観てみてはいかがでしょうか。

おわりに

以上、映画「何者」についてでした。久々にthe感想記事!って感じの感想記事で、ひたすら書きなぐってしまいました。ここまでお読みいただきありがとうございます。

きっと、「何者」かになろうと足掻いているのは就活生だけではありません。

もっと幼い頃から、ずっと確かな何かを掴もうと足掻いてきた。そして社会に出た今も、ずっと「何者」かになろうと足掻いています。

笑われたり馬鹿にされたりするかもしれない。でも必死に足掻くことは大切なことだ。

一生懸命であるということは、それだけで無様なんですよね。でもそんな人を見ていると、純粋にかっこいい生き方だなって思える。

自分も、他の何者かではなく、自分の名前で、自分の言葉で1日1日、一つ一つの時間を生きたいと思えました。

本日もここまでお読みいただきありがとうございました。

よければぜひこちらも合わせてお読みください♪
関連記事のIDを正しく入力してください

コメント

タイトルとURLをコピーしました