こんにちは。元気が出る映画の感想・レビューを綴っている宮田です。
本日公開の映画『ハドソン川の奇跡』を映画館にて観てきましたー!!
▽ハドソン川の奇跡 予告編
トム・ハンクス主演の本作、予告が始まった段階からとても気になっていました。
96分という時間の中に凝縮された物語。ガンガン入ってくる、メッセージに溢れる一本でした。
ハドソン川の奇跡 あらすじ
2009年に起きたニューヨークのハドソン川への飛行機の不時着水。上空850メートルという低空で発生した全エンジン停止、管制からの指示は「空港に着陸せよ」。それに対して機長の判断は「ハドソン川への不時着水」。これは実話に基づいた話であり、無事に155名の人命が救われた「奇跡」であることは普遍の事実。
本作はそのハドソン川の奇跡の裏側、「機長の判断」を問う様を描いた物語。「データ」か「経験」か。「正解」か「答え」か。「指示」か「直感」か。機長の選択を巡って巻き起こるそれぞれの立場の人の思考・言葉が心に残る映画でした。
ハドソン川の奇跡 感想
注意)ネタバレなどバリバリ含んでおります!
判断するということのプレッシャーと、その判断に対する外野の声。安全なところからならなんだって言える。
この映画を観ると「判断」する立場にいる人にのしかかる重圧と葛藤を感じることができる。
管制の指示か、それとも自分の判断かを決断しなければいけなかった機長。
結果として空港に戻って着陸せよ、という指示ではなく、「川に着水する」という自分の経験から来る勘を信じる。
世間はその判断に対して「英雄」と賞賛する一方で、調査機関は事故の「原因」を追求する。
それは「人命を危険にさらす決断だったのではないか?」と。
機械でシミュレーションした結果、川に着水して人命を危険にさらすことなく空港に着陸できた。という「データ」を示される。
機長は自分の判断が正しかったと信じるが、そうやって「数字」で根拠を示されれば言い返す言葉もなくなる。
次第に「自分の判断は間違っていたのだろうか?」と考えてしまうようになる。
最終的な結論としてはハッピーエンドで、
「人的要因」つまりは、これまでに想定されたことのない事態に対する「人が考える時間」、155名の命を背負っているという重圧、そういうものが計算されていないデータは「正解」ではあっても「リアル」ではない。という方向に進んでいく。
シミュレーションに人が考える時間「35秒」を追加した結果、川に着水していなければ飛行機は助からなかったということが証明されます。
調査機関は調査機関で自分たちの仕事を全うしているわけで、悪役にするつもりはありません。
が、今の世の中やニュースを見ていて感じる
自分は傷つかない安全な場所から「観察者」として意見を主張する。
という風潮を感じ、考えさせられます。
人が真剣に考えて出した答え、真剣に努力して生み出したものに対して、外からああだこうだと意見を言う「評論」。
これだけデータ収集能力や解析力、情報網が発達した現代において「正解」や「正論」なんて”後から”どれだけでも言うことができる。
なんてことを書いていると、そして映画に対してレビュー(評論)なんて書いている自分に何ともいえない気持ちになったりもしますが…(^^;)
そういうモノに対して何が引っかかってるんだろうなって考えてみると、それは「何かしら良くなる未来を考えているのか?それとも誰が悪かったのかを決めたいだけなのか?」というところかなって思います。
なんかもうストレス発散というか、ただ攻撃したいだけというかそういうものが溢れてるよなって。
しかもそういう「ネガティブ」な要素を切り取った話題ってバズるので、メディアも取り上げるし、いつの間にか論点すり替わってるしで、、、。
どこに向かってるのか?と思うことがあ多々あります。
アドラー心理学で世間を賑わした「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」に「かわいそうな私」「悪いあの人」ではなく、「これからどうするか」について考えることが重要という視点が出てきます。
これと似ていて、もう起きたことや、誰かが頑張った、もしくは頑張らなかった「結果」に対してあぁだこうだと「正論」をぶつけるのは意味ないなって思いました。
「これからどうするか」という未来に目を向けて、相手と共に歩める人間でありたいと感じました。
人か機械か。
と個人的な話をダラダラと書き連ねてしまいました。ここまで読んでくださってありがとうございます。
もう少し書いてみます。
ここまで書いてきた内容だけでいくと、いかにも機長が「英雄」で、調査機関は「悪」みたいになってしまうだけです。
この映画で考えさせれるのは、実際問題として完全に人間を排除した機械によるシミュレーションだけであれば「空港への着陸が成功する」。というところにあると思います。
本作では「人的要因(ヒューマンエラー)」という言葉が語られますが、そもそもこの物語は、完全コンピューター制御であれば起こり得なかったのか?
鳥との衝突したパターンも計算できるコンピュータープログラムがあれば起きうることのない話なのか。
そこを考え始めると、うーーーんってなって答えが出なくなります。
今朝ちょうどAI(人工知能)に代替される仕事、されない仕事というトピックの記事を読みましたが、まさにこれから「人(人的要因)」は至るところで排除されていくんですよね。
それは事実な訳で。
データによって「判断」される社会。
なんかそう考えると、安全な世の中が来るのは嬉しい一方で複雑な気分になります。
例えば本作「ハドソンの奇跡」の機長のように、155人の「命を背負っている」という「責任感」や「使命感」を持って「判断」する。
そういうことは機械にはできないわけですよね。
全てが白か黒で分割される世の中・・・なんだかクーーーーッってなりました。そんなモヤモヤ感を誰かと共有したくて書いてみました。
ぜひまたいつも記事を読んでくださっている方とお話してみたいです。お気軽にメッセージなどください。
ハドソン川の奇跡について
<基本情報>
上映日:2016年 9月 24日
製作:アメリカ
上映時間:96分
<監督>
クリント・イーストウッド
<脚本>
トッド・コマーニキ
<キャスト>
トム・ハンクス
ローラ・リニー
アーロン・エッカート
オータム・リーサー
ジェリー・フェレーラ
サム・ハンティントン
クリス・バウアー
ホルト・マッキャラニー
マックス・アドラー
ヴァレリー・マハフェイ
トレイシー・チモ
ゲイリー・ウィークス
ブランドン・バン
ブリエット
<公式サイト>
http://wwws.warnerbros.co.jp/hudson-kiseki/
おわりに
以上、映画『ハドソン川の奇跡』についてでした。ちょっと長めの記事になってしまいましたが、これにて終了とさせていただきます。
内容についても上述している通りとても入り込めたのですが、やはり主演のトム・ハンクス!
トム・ハンクス最高!!!ってなる映画でした。まとめ方が雑ですいません。笑
それでは、本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
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